Novel

桃野まりな

ポチャン

ジャン：しまった～！僕の大事なスパンをこの池に落としてしまったよ。あれがないと、この墜落したエトワール・ド・ラ・セーヌ９世の修理ができないじゃないか？

ボコボコ（池から音）

ジャン：なんだ！池から誰か出てくる！！！！！！

ナディア：今、スパナを落としたのはあなたね？

ジャン：なにしているの？ナディア。確かに今スパナを落としたのは僕だけど・・・。

ナディア：あなたが落としたスパナはこの金のスパナ？それとも鉄のスパナ？

ジャン：ナディア！すごい発見だよ。金のスパナだなんて。どこで見つけたのさ？もしかして、その池の中に落ちてるの？

ナディア：あなたが落としたのはこの金のスパナですね？

ジャン：違うよ。僕が落としたのはそっち、鉄のスパナだよ。第一金のスパナだなんてもったいなくて使えないじゃないか！？

ナディア：おおなんと正直者の若者なのでしょう！あなたにこの金のスパナをあげることにしましょう！

ジャン：それはうれしいけど、ナディアいったいどうしたの？

ナディア：ではさらば！！！

ボコボコ（池から音）

ジャン：ナディア！ナディアってば！！！まったく墜落して頭がおかしくなったのかな。それにしても金のスパナだなんてよくあったな。この池の中にまだいろいろあるのかもしれないなって、ナディアがまだ池の中じゃないか。大変だ。ナディアを助けなくちゃ！！！

ドボン（ジャンが池に飛び込む）

ナディア：ジャン、ジャンてば！ジャン

ジャン：その声はナディア！ナディアどこだ！？

ナディア：全然起きないわ。キノコを食べたからといってこんなに寝込んでちゃこのさき思いやられるわ！！！

ジャン：ナディア！金のスパナどこにあったの？