Novel

やったらめったらこうなっちゃったナディア

その2 ナディア、エレベータガールになる

桃野まりな

ナディア:本日は第二エッフェル塔へお越しいただきましてまことにありがとうございます。このエレベータは、これより最上階の展望室へと参ります。

ジャン:ナディア〜

ナディア:第二エッフェル塔は1889年に建築されました鉄筋の塔でございます

ジャン:ナディア!他に誰もいないんだし、普通の話をしようよ〜

ナディア:塔の名前は設計者はアレクサンドル・ギュスタフ・エッフェルに因んでおり、高さは312mでパリ市内では一番高い塔でございます

ジャン:そんなことは僕だって知っているよ!

ナディア:エッフェル塔は、1889年のパリ万国博覧会の際に一度建てられましたが、謎の円盤に破壊され、今の第二エッフェル塔が建築されました。

ジャン:そう!ガーゴイルとN-ノーチラス号の決戦の時だったよね。でもナディアはもうその時ガーゴイルに記憶を消されて何も覚えていないんだったよね。

ナディア:エレベータはまもなく最上階の展望室に到着致します。

ジャン:どうしたのさ、ナディア。さっきからおかしいよ!

ナディア:ジャン!私がどういう思いで、エレベータガールをしていると思っているの! 発明ばかりしてろくすっぽ収入がないから、私がこうしてアルバイトしているんじゃない!

ジャン:だって夢のある発明はしていいってナディアが言ったんじゃないか!

ナディア:そうよ。でもジャンはいつもガラクタばかり発明しているし!それなのに、ジャンは私の気持ちを全然分かってくれないし、第一、エレベータガールって言う仕事がどれだけ大変なのか、ジャン分かってるの!?

ジャン:それは、お客さんにエッフェル塔の紹介を・・・

ナディア:違うわ!
こうして、密室のエレベータの中で女が一人いるのよ。知らないおじさんたちが下からなめ回すように見回して、歳は?彼氏いるの?とか聞いてくるんじゃない! 挙げ句の果てには、携帯の番号教えてとか、おしりを触られそうになったことだってあるんだから!!

ジャン:そんなに大変だったとは知らなかったよ、ナディア!

ナディア:そんな苦労も知らないで発明ばかりに夢中になっているジャンなんて大嫌い!

チーン!(エレベータが最上階に到着する)